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ネット人生まっしぐら、アナログとデジタルの狭間にいきるドーラの雑記帳です。
02 / 09 Sun 06:01 ×
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11 / 30 Mon 11:30 #ドーラ ×
中国の故事にあるように、いつかは敗れるものだ。
内藤選手と亀田選手の試合が決まったとき、私は内藤派だった。彼をスターダムに押し上げたあの一戦後、別に興味はなかった。当時の亀田一家の傍若無人ぶりとT○Sの大げさな演出にはホトホトあきれ返るばかりで、彼のためにも1回ドカンと落とされたほうが後々いいだろうと思っていた。だから、内藤選手が何者かもサッパわからなかったし、とにかく亀田選手が負ければよかった。あれは兄弟がどうのというより、周囲の連中に怒りをおぼえた。思慮がなさすぎる。若い連中はとんがってていいいい。周囲が配慮と思慮があれば。それが欠けていた。

そんなどうでもよかった内藤選手だが、彼が出ているラジオを聴いていたふと涙が出た。お悩み相談のコーナーだ。彼の気負いのない返事、それでいて相手の言葉を120%とらえようと自分なりに努力し少ない言葉で精一杯の声を上げる。彼はいつも謙虚だった。普通あそこまでスターダムになると、職業も職業だけに「オラオラ」になるのが普通だが、彼には何もそういうのがなかった。試合は試合、俺は俺。染まらない自在さを感じ、好きになった。

35歳で5度も防衛を果たしギネス更新という偉業をひょうひょうと成し遂げている彼だったが、お披露目の様子がラジオで流れた時に、「負けるかもしれない」と感じるものがあった。今までと違いすぎる。コンセントレーションが高まり無口な内藤選手に対し、余裕がある亀田選手の様子が見事に解説されていた。「これは・・」と思うものがある。歳をとるとわかるが、真っ先に肉体の衰えを感じる。それは本当に階段を下りるがごとし。しかも階段1段の落差が徐々に大きくなる。スポーツ選手ならわずかな肉体の変化も察するので我ら凡人よりはるかにその実感は大きいだろう。足りない体力の分を精神力と培った知恵で補うのだ。それがあの会見を結果的に生んだ。以前の亀田選手だったら内藤選手は勝っていただろう。しかし今回の亀田選手は違っていた。一目みて色々な側面の充実度が違う。もともと三兄弟の中でも周りが父親より見えるほうだし、頭も働く。そういう意味では一番バランスがいい選手だと思う。特化しすぎた才能というのは大きくバランスを欠いてしまう難しさがある。ハマったらハマルが、ズレたらガタガタになる。

試合前半、基本的に待ちの姿勢に見えた亀田選手。実に冷静かつ鋭く迎撃のパンチを繰り出していた。只管攻勢の内藤選手。有効打が入りにくいが五分にみえた。しかしこの五分は既にチャンピオンにとっては厳しい展開を予想させた。才能ある若者が開花して世界に出ることは素晴らしいと思うが、私は内藤選手の最後まで前へ出るスピリッツに涙が出た。凄い・・・なんて凄い。折れない心だ。鼻は折れても心は折れない。最後の一撃まで投げることなく、心が逃げることなく前へ前へ出た。前半左のレバーブローをちょこちょこ当てていたのが中盤以降打たなくなっていた(打てない?)のが個人的には残念だった。戦況の流れ上そうなったのだろう。それにしても、あの前へ前へという姿勢には感動した。出来るもんじゃない。頭が働くと前へ出なくなる。彼は最後の一打まで試合を投げなかった。素晴らしい試合だった。腹に熱いものが去来する。


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