北京オリンピックでの野球は最悪だった。
あれは星野さんの責任ではないと私はずっと思っていた。
なんちゅーか、驕り高ぶった日本選手の姿に私は愕然としていたからだ。空気に呑まれ集中力を欠いていた。
興奮するのと集中するのは大違いだ。韓国は集中していた。「これは銅メダルすら取れない！」と早々に予想。４位なる、そう思いながら見事に崩れていく日本野球を見た。「あーまるで今の日本そのものだ」と思いながら仕事をする。絵に描いたように４位となった。

だから今回は怖くて見れなかった。当然イチローがキーだと思っていたが、そのイチローは精細を欠いていた。これでは到底観れない。しかし徐々に調子を上げるイチローと結束力を強める日本チームに興味がわく。結果だけ追っていたが、崩れきることなく強敵アメリカを下したと聞いて、決勝戦だけは見ようと決める。いやー凄い！まるで出来すぎた漫画や映画のような激戦！！いやー凄い、凄すぎる！！マジで声を上げて応援してましった。あるんだーこういうことって・・・いやーリアルタイムに観れて最高だった。

イチローは他の選手と違うのは長い流れの中で仕上げられる選手だし、ココゾという時に集中力を発揮する。プロ中のプロだが決勝でその真逆をいったのは城島だった。完全に興奮のあまりのまれているのが素人目にも伺える。ココぞのチャンスに一切撃てない。併殺打２連続の挙句に凡打、しかも完全に舐められている。どうみても力みすぎ。かといって、力を抜くと精細を欠き凡打と冴えない極み。決勝後のワイドショーでも一切触れられることなくスルーされる。これはタタかれるより屈辱的な仕打ちだろう。

やはりイチローは１ステージ違う。１０回表あのシチュエーションではどんな選手であれのまれて普通だ。精確で力のあるピッチングをする韓国の投手。驕りはなく冷静かつ集中している。本来であればあそこは敬遠だ。素人でもわかる。しかし、イチローを下して勝利してこそってのが韓国の思いなのだろう。こりゃー出来すぎてステージだ。ケツの穴がキュンとなってしまうｗ　ここで下手に気負えば討ち取られるであろう場でも、イチローは冷静に集中力を高めている。ボール玉すらファールにつなげるイチロー、かと思えば見送ってボールをとる、まさに何を投げたらいいのかわからなくなったと思う。集中力を欠くことなくココゾの一投を、これぞまさに最もイチローらしい最高の確実なるヒット！！打った瞬間に抜けた！！と思う見事なヒットをかます。ありねーっすｗｗｗｗ　世界のイチローだからこそ出来たヒットだったろう。そのイチローを最後の最後ですらかえして上げられず凡打に終わる城島。まさに光と影をみた気がする。いやー・・・最高やね。最高っす。

ただ不安も残った。イチローがいたからこそ勝利したと私は思う。当然全員の力があったればこそではあるが、個々の才能ある力をまとめきるのは凡人をまとめるより大変だ。イチローというパーフェクト野球人がいたからこそまとめあげられた。個々の力をみたら日本はもっと楽に勝っても不思議じゃない気がする。それなのに北京といい、そんな感じだ。ワールドカップの中田がまさにそういう存在だった。中田だけが世界を見えていて、中田だけが世界を相手にしていた。当時の日本人や関係者の評価は余りに低すぎた。中田が抜けた後の日本はボロボロだろうと思い、あれ以降私はサッカーに１ミクロンの興味もなくなった。皆が皆、「俺すげーだろｗ」って感じで酔っているのがわかる。まとめる人間がいるのだ。先見性のある人間が絶対にいるのだ。特に才能が溢れるチームなら、誰しも「俺が一番」って思っているからこそ余計にバラバラになる。案の定、その後はメタメタだ。今更中田が再評価されているが「何を言ってるのか」と思える。イチローも３５歳だ。イチローに変わるプレイヤーはいるだろうか。いない。松井はWBCを選ばないし、彼はある意味真の職人である。日本の真の職人の姿そのものだ。孤高なのだ。だから全体をまとめる力はないだろう。そういう意味では今後の日本チームには不安が残る。まぁ・・今は勝利の美酒に酔おう。先のことは誰もわからないのだからね。

しかし歴史に残るいい試合だったなー。あんな試合ないで。まーそれでも北京オリンピックの女子ソフトの決勝のほうが凄いと思うけどね。いやーでもよかったよかったなーオイ。すげーなーおい。もう１年ぶんのスポーツ観戦を今日１日で済ました気がするよｗ　おめでとージャパンチーム！！

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