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ネット人生まっしぐら、アナログとデジタルの狭間にいきるドーラの雑記帳です。
05 / 13 Mon 04:26 ×
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05 / 13 Thu 19:15 #ドーラ ×
まさか本当にこんなことがあるなんて思わなかった。
ほんの軽い冗談だと。

俺の目の前に1つのダンボルー箱
箱には”絶対あけるな”と赤マジックで書かれている。

池田が出かける前に俺に言った言葉が嘘みたいだ。
「俺にもし何かあったら、警察より先にコレを持ち出してくれ!一生のお願いだ」
ヤツはマジだった。
安請け合いだった。
でも、まさかこんなことが本当にあるなんて考えもおよばなかった。
池田はツーリング中に事故で亡くなった。
事件性はゼロ。

混乱する意識の中、俺は池田との約束を思い出してアパートの2階、ヤツの部屋からブツを持ち出した。
ヤツのアパートにはしょっちゅうではいりしていたため、合鍵のありかは知っていた。
勿論俺だけじゃない。入り浸っている連中なら誰もが知っていた。
パニクる俺をよそに、通夜が行われ、葬式があり、家に帰ってきた。
俺を迎えたのは、この”絶対あけるな”と書かれているダンボール箱。

一瞬で目が冷めた。

同時に焦った。
後悔した。
(なんで、約束しちまったんだ)
(なんて、持ってきてしまったんだ)
(コレ、どうすんだよ)
色々な思いが頭を過ぎるが、約束は約束だ。
見られたくないものは見られたくないもんだ。
これが何かの物語なら、このダンボールを開けるところから始まるのだろう。
事件の深層が!!とかね。

でも、それは無い。
中身は単なるエロ本とエロDVDだ。
せめて趣味があうことを祈るばかりだが。
ヤツがどんな趣味しているのか聞いたことがない。
ま、池ヤンのエロ趣味なんて興味もなかったが。

「嘘だろ・・・勘弁してくれよ・・・」

思わず声に出た。
(そらー出るだろ)
なんで、ハードSMなんだよ。
お前幾つだよ。
極めすぎだろ。

ロウソクとか・・・勘弁してくれよ。
俺そういう趣味ねーよ。
これじゃ、抜くこともできねーだろうが。

どうすんだよこのダンボール。

ヤフオクにでも出すか。
友人の遺産をヤフオクで売りさばくか・・キチィ。
捨てるか。捨てるには多いなぁ。
ちょっとづつ出せば平気かな・・・。
でも、ちょっとづつってどれくらいだ。
2枚づつとかなら、何週間捨てづけないといけないんだ。
エロ漫画とかなら、袋にいれても「あれ、これ重いな」って清掃員の方も開けるかもしれないだろ。
その間に万が一親に見つかったらどう言い訳すんだよ。
どんだけ鬼畜なんだ私の子はってぜってー冷めた目で見られるぞ!
(俺の趣味じゃねー!池田のだ!)って言ったら・・・
どんだけ俺最低なんだよ俺!

「うわぁ・・・持ち出さなきゃ良かった」

でもこのままじゃヤベェよ。
俺の部屋は母さんに隅から隅まで把握されている。
もう俺の秘密はあそこしかない。
でも、あそこにいれたら俺の物と確定したようなもんじゃねーか。
何時までも置いておけねーぞマジで。
どうするんだよ俺。

なんだよコレ・・・なんでこんなに垂らされて笑顔なんだよ・・・やめてくれよ。
え・・・
まさか・・・
え?!
え!
えーーーっ!!
・・・勘弁してくれよ。
ババ専なのか。嘘だろ、なんでなんだよ・・・

(マザコンかぁ・・・ヤヴェ・・・)

そう思うとヤツの言動が頷ける。

「もぅ!!」

思わず声に出た。

「どうしたの?」

「な、な、なんなんでもない!!お願いだから開けないで」

母さんがいる。
か、鍵、鍵が!
頭が真っ白になった。
これが真っ白ってヤツかと後で思った。
ほんの数秒だと思うが、永遠とも思えるほど長かった。
心臓が止まりそうだった。

友人の葬式後、
中年の女がロウソク垂らされて歓喜の表情を浮かべているようなエロ遺産をみている息子。
最悪だ。これ以上の最悪はない。
地獄だ。
俺の趣味ならいざ知らず。


母さんは開けなかった。
さすが俺の母さんだ。空気を察したのだろう。
「気持ちが落ち着いたら下に降りてきなさい」
そう言って台所に戻った。
心臓が止まるかと思った。
(しっかしろ。固まる前に鍵をしめろ!)

どうするんだよコレ・・・。
池田ぁ。
なんなんだよ。

まさかこの遺産が俺にとってアレほど影響がでるとは思いもよらなかった。

PS。どうよ!こんな感じで。面白そうだな。

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