前回UPした12話の 次のメモになります。
見つからないので、適当に思い出しながら修正しながらUPしようと思います。
バーン偏は、今のところ「ダーク・エイジ(仮)」としております。
尚、少年漫画にありがちな誰が一番強いのか的な部分で面白さを追求しないように意識しております。
今後ドーラ偏(「ギャラクシー・エイジ(仮)」との読み比べ時に「ちょwwwww」ってなることもシバシバと思いますが。
現在ラグオルを中心とした星系は銀河警察の統括下となっている。
国を宣言することは出来ないし、土地の所有権を訴えることも出来ない。ましては武装することは禁止されていた。
それらはこの星系に移住してきた時の取り決めであった。人々が新たな土地で安全に無駄なく生活基板を形成するには中央集権化は能率がよく極めて当然のことであった。
しかし、基板の安定と共に銀河警察の及ばない勢力が頭をもたげてくる。それも自然なことであった。完全に安定した権力構造の中で新たな対抗組織を形成するのは並々ならないことであり、それは一見不可能とも思えることである。そうなる前に、かつて戦国時代がどの国にもあったように、群雄割拠する時代はやってくる。
歴史は繰り返す。
例えそれが愚かな行為であったとしても、人に欲望がある限りそれは終えることはないだろう。
ラグオルでも同じであった。
小集団はいつの間にか組織になり、組織が合併を繰り返し、遂には国と叫び領土を主張し独立を宣言する。
初めての宣誓を行ったのがフォースだけの国家「月の街」である。それらはいわばお決まりのコースであった。
月の街がそうであったように、多くの場合は銀河警察によって排除、解体させられた。だが、その数がウィルスにおかされた肉体がごとく増殖をしだすと、銀河警察の威光は一般人の目からみても明らかに衰えていった。
巨大な組織に対して有効な対抗組織であった銀河警察という統治機構は、細分化された集団にたいして効力を発揮するには余りにも人的、資金的不足していた。警察は元から協力関係にあったギルドガード連盟に一定の権力を委譲することで、より細部の統治をお行なうことにしたが、その効果は一時的なものであった。更に、ギルドガード連盟の勢力が拡大し、より統治を困難なものになってしまった。
銀河警察とギルドガード連盟は協議の末に「傭兵団」という新たな枠組みを認可する。公的に活動することを許すことでその規模の把握を容易にしようという考えであった。それらの取り組みは一定の効果を得られたが、未だ彼らの欲望は自らの置き場を常に求めていたのだ。多くは自らの天下を求めることを断念したが、その次には英雄を欲した。自らの欲望を満たすことを許す統治者を。
そして現れた。
ここに制御不能なまでに巨大化した傭兵団である。
その名を「アダーム」という。簡単にこの組織の経緯を話そう。
銀河警察が彼らの組織を認可した時には最小単位である4人の傭兵団であった。
傭兵団の組織編成を更新するのはランクに応じで異なるが、最小単位の組織は一年に一度の報告でよしとされていた。アダームが一年後に報告した時に組織は1万人に膨れ上がっていた。正式報告で1万人であるため、実際にはその分派を含めると3万人はいると銀河警察は試算していた。事態を重くみた銀河警察のトップ連は調査委員会の派遣を要請する。アダームは許可をし視察は行われた。何も問題がないばかりか、彼らはギルドガード連盟を凌駕するほどスムーズな組織であった。揺り篭から墓場まで、彼らはあらゆる事業を自らの組織内で可能としていた。
視察後アダームはランクSの組織に与えられる居住区の権利を申請した。
しかし、その大きさに恐れをなした警察はその申請を却下。これらは法律にのっとったものであったが、銀河警察は却下するために事件を捏造し、逆にアダームの傭兵団解体命令を下す。
これを不服としたアダームはラグオル星系にむけ高らかに独立を宣言をする。
彼らはあるものを得た。
それは青の傭兵団VTによってもたらされる。
彼らにとって決定的となる兵器は 「ダーク・ファルス」と呼ばれていた。
ラグオルを過去に幾度となく窮地においやった制御不能の遺産兵器。
人がそれでも制御をしようとやまない兵器。
アダームは再びパンドラの箱を開けようとしていた。
銀河警察がそれを知ったのは後のことである。
荷物と共にあったバーンとジュゲはアダームの一員となっていた。
それは同時にアダームから出られないことを意味している。
もっとも出る必要はなかった。
なぜならバーンの望むものは眼と鼻の先にあったからだ。
しかしそれは最も近くて遠いところにあるとも言える。
革命が始まろうとしていた。
「アダーム!アダーム!アダーム!」
広場の大合唱を尻目に、二人は最も離れた噴水のヘリに立ち、独立宣言の様子を見ていた。
彼女は口元に笑みを浮かべながら全く別のことを考えているようにみえる。
困り果てていたのはジュゲである。
ハリュウトをかいしてエルディナと連絡をとっていたが、連絡は途絶えた。VTの荷物がバーンの目的であった「ダーク・ファルス」であることは確認できたが、退路をたたれてしまったのだ。
ハリュウトは広場の人たちと共に飛び跳ねながら「アダーム!」を連呼している。
「まいったねぇ。銀河警察がこぞってやってくるよ。ある場所はわかっているのに、これじゃ帰れないし、バーンも俺もお尋ね者確定だよ。何より万が一でられたとしてもコレだよ」
彼女は腕を揃えて手錠をかけられる振りをした。愛嬌のある顔をしている。一度や二度の経験ではないのだろうことが伺えた。今時の傭兵で銀河警察に一度も連行されたことがないものはいない。それでも彼女はすぎに深刻な表情をみせた。それは万が一拘留されることになった場合に、今回ばかりはただでは済まないことがわかっているからであろう。彼女はそれを口に出さなかった。
「大丈夫よジュゲ。帰れるにはかえれるのよ。ただ・・・」
前を見据えたまま呟くバーンに、ジュゲは顔をのぞきませた。
「ただ、何?」
「犠牲者は避けられないわね・・・」
「避けられないどころか!銀河警察は独立宣言をした組織と協力したものを拘留はしないよ。全て殺処分!徹底的に殲滅にかかるよ。沽券に関わるからね。ただでさえ今の銀河警察の権威は失われてきているから、今回はいいプレゼンテーションになると思うよ。新兵器も導入してくるだろうね。いい実験場にされるよ」
「そうね」
バーンは彼女が自分の意味を正確にはとらえていないことを知りながら静かにそう応えた。
(降臨と同時に仕留めるのは叶いそうもないわ)
暗澹たる気持ちに身を委ねながら、ある種の心地良さを感じていた。
「マダム!マダム!マダーム!」
右手を上げたままホッピングのように跳ねているハリュウトが群衆の中から戻ってきた。
「ちょ、マダムちゃうし。アダームだよハル」
「マダーム!」
「アダーム」
「アンダーム!」
「あ・だぁ・む」
「アッ、ダーーーム!」
「なんか違うんだよなぁ。まいいや。ハル、姉ちゃんと連絡はとれた?」
「とれないですぅ。レッドサルンは何も通さないって本当なんですねぇ」
「あーん、ここにいると外で何が起きているかさっぱりわからないや。困ったなぁ」
「困ったでぅ」
ジュゲの真似をして頭をかかえてみせた。
「バーンはどう?クールズや星の人たちとは連絡とれる」
バーンは返事をするかわりに首をわずかに振ってみせた。
「アダームについて、知っていることを教えて頂けるかしら」
しばしバーンを見つめるジュゲだったが、念話が通じないことを思い出し口に出す。
「げ、この距離で念話通じないんだ。んー・・それがよく知らないんだ。新進気鋭の傭兵団ってことしかわからない。ふって湧いたような傭兵団で、団長がアダームという名前らしいということぐらい。傭兵団のデータベースは閲覧したことあるけど、どうってことのない人物だよ。どこにでもいる。はいて捨てるほどいるような普通の経歴だよ。ごく真っ当な人生を歩んでいたようだけど、ある日突然傭兵に目覚めたのかねぇ。アダームを戦場でみた記憶は一度もない。この一年はバーンと一緒だからってのもあるけど、すくなくとも傭兵登録される前までは一度もあんな奴みたことも聞いたこともないよ」
「どういう顔か念でおくってくれる」
「それが送れないんだ。ここでは」
「見にいいっていいかな」
「ダメ!それだけはダメ!多分、バーンでも無理だよ」
「試しもて、いい?」
「ダメ!やっぱダメ!」
「そう」
いつになく深刻な顔のバーンに彼女は背筋が寒いものを感じていた。
(何がそんなに心配なんだろう)
名を馳せた傭兵であったジュゲは、このような最中であってもそれなりに勝算があったので落ち着いていた。独立宣言の場に居合わせたのはこれが初めてではない。これほどの規模は初めてであったが、どの現場も似たようなものであると考えていた。実際そうであった。少なくともこれまでは。
独立宣言後わずか数日で銀河警察は動き出す。
第一波はほどなくしてやってきた。
それはジュゲの予想通りの展開から始まった。
平和と安住の地と宣言されたアダームの地は1日で戦場となる。
見つからないので、適当に思い出しながら修正しながらUPしようと思います。
バーン偏は、今のところ「ダーク・エイジ(仮)」としております。
尚、少年漫画にありがちな誰が一番強いのか的な部分で面白さを追求しないように意識しております。
今後ドーラ偏(「ギャラクシー・エイジ(仮)」との読み比べ時に「ちょwwwww」ってなることもシバシバと思いますが。
現在ラグオルを中心とした星系は銀河警察の統括下となっている。
国を宣言することは出来ないし、土地の所有権を訴えることも出来ない。ましては武装することは禁止されていた。
それらはこの星系に移住してきた時の取り決めであった。人々が新たな土地で安全に無駄なく生活基板を形成するには中央集権化は能率がよく極めて当然のことであった。
しかし、基板の安定と共に銀河警察の及ばない勢力が頭をもたげてくる。それも自然なことであった。完全に安定した権力構造の中で新たな対抗組織を形成するのは並々ならないことであり、それは一見不可能とも思えることである。そうなる前に、かつて戦国時代がどの国にもあったように、群雄割拠する時代はやってくる。
歴史は繰り返す。
例えそれが愚かな行為であったとしても、人に欲望がある限りそれは終えることはないだろう。
ラグオルでも同じであった。
小集団はいつの間にか組織になり、組織が合併を繰り返し、遂には国と叫び領土を主張し独立を宣言する。
初めての宣誓を行ったのがフォースだけの国家「月の街」である。それらはいわばお決まりのコースであった。
月の街がそうであったように、多くの場合は銀河警察によって排除、解体させられた。だが、その数がウィルスにおかされた肉体がごとく増殖をしだすと、銀河警察の威光は一般人の目からみても明らかに衰えていった。
巨大な組織に対して有効な対抗組織であった銀河警察という統治機構は、細分化された集団にたいして効力を発揮するには余りにも人的、資金的不足していた。警察は元から協力関係にあったギルドガード連盟に一定の権力を委譲することで、より細部の統治をお行なうことにしたが、その効果は一時的なものであった。更に、ギルドガード連盟の勢力が拡大し、より統治を困難なものになってしまった。
銀河警察とギルドガード連盟は協議の末に「傭兵団」という新たな枠組みを認可する。公的に活動することを許すことでその規模の把握を容易にしようという考えであった。それらの取り組みは一定の効果を得られたが、未だ彼らの欲望は自らの置き場を常に求めていたのだ。多くは自らの天下を求めることを断念したが、その次には英雄を欲した。自らの欲望を満たすことを許す統治者を。
そして現れた。
ここに制御不能なまでに巨大化した傭兵団である。
その名を「アダーム」という。簡単にこの組織の経緯を話そう。
銀河警察が彼らの組織を認可した時には最小単位である4人の傭兵団であった。
傭兵団の組織編成を更新するのはランクに応じで異なるが、最小単位の組織は一年に一度の報告でよしとされていた。アダームが一年後に報告した時に組織は1万人に膨れ上がっていた。正式報告で1万人であるため、実際にはその分派を含めると3万人はいると銀河警察は試算していた。事態を重くみた銀河警察のトップ連は調査委員会の派遣を要請する。アダームは許可をし視察は行われた。何も問題がないばかりか、彼らはギルドガード連盟を凌駕するほどスムーズな組織であった。揺り篭から墓場まで、彼らはあらゆる事業を自らの組織内で可能としていた。
視察後アダームはランクSの組織に与えられる居住区の権利を申請した。
しかし、その大きさに恐れをなした警察はその申請を却下。これらは法律にのっとったものであったが、銀河警察は却下するために事件を捏造し、逆にアダームの傭兵団解体命令を下す。
これを不服としたアダームはラグオル星系にむけ高らかに独立を宣言をする。
彼らはあるものを得た。
それは青の傭兵団VTによってもたらされる。
彼らにとって決定的となる兵器は 「ダーク・ファルス」と呼ばれていた。
ラグオルを過去に幾度となく窮地においやった制御不能の遺産兵器。
人がそれでも制御をしようとやまない兵器。
アダームは再びパンドラの箱を開けようとしていた。
銀河警察がそれを知ったのは後のことである。
荷物と共にあったバーンとジュゲはアダームの一員となっていた。
それは同時にアダームから出られないことを意味している。
もっとも出る必要はなかった。
なぜならバーンの望むものは眼と鼻の先にあったからだ。
しかしそれは最も近くて遠いところにあるとも言える。
革命が始まろうとしていた。
「アダーム!アダーム!アダーム!」
広場の大合唱を尻目に、二人は最も離れた噴水のヘリに立ち、独立宣言の様子を見ていた。
彼女は口元に笑みを浮かべながら全く別のことを考えているようにみえる。
困り果てていたのはジュゲである。
ハリュウトをかいしてエルディナと連絡をとっていたが、連絡は途絶えた。VTの荷物がバーンの目的であった「ダーク・ファルス」であることは確認できたが、退路をたたれてしまったのだ。
ハリュウトは広場の人たちと共に飛び跳ねながら「アダーム!」を連呼している。
「まいったねぇ。銀河警察がこぞってやってくるよ。ある場所はわかっているのに、これじゃ帰れないし、バーンも俺もお尋ね者確定だよ。何より万が一でられたとしてもコレだよ」
彼女は腕を揃えて手錠をかけられる振りをした。愛嬌のある顔をしている。一度や二度の経験ではないのだろうことが伺えた。今時の傭兵で銀河警察に一度も連行されたことがないものはいない。それでも彼女はすぎに深刻な表情をみせた。それは万が一拘留されることになった場合に、今回ばかりはただでは済まないことがわかっているからであろう。彼女はそれを口に出さなかった。
「大丈夫よジュゲ。帰れるにはかえれるのよ。ただ・・・」
前を見据えたまま呟くバーンに、ジュゲは顔をのぞきませた。
「ただ、何?」
「犠牲者は避けられないわね・・・」
「避けられないどころか!銀河警察は独立宣言をした組織と協力したものを拘留はしないよ。全て殺処分!徹底的に殲滅にかかるよ。沽券に関わるからね。ただでさえ今の銀河警察の権威は失われてきているから、今回はいいプレゼンテーションになると思うよ。新兵器も導入してくるだろうね。いい実験場にされるよ」
「そうね」
バーンは彼女が自分の意味を正確にはとらえていないことを知りながら静かにそう応えた。
(降臨と同時に仕留めるのは叶いそうもないわ)
暗澹たる気持ちに身を委ねながら、ある種の心地良さを感じていた。
「マダム!マダム!マダーム!」
右手を上げたままホッピングのように跳ねているハリュウトが群衆の中から戻ってきた。
「ちょ、マダムちゃうし。アダームだよハル」
「マダーム!」
「アダーム」
「アンダーム!」
「あ・だぁ・む」
「アッ、ダーーーム!」
「なんか違うんだよなぁ。まいいや。ハル、姉ちゃんと連絡はとれた?」
「とれないですぅ。レッドサルンは何も通さないって本当なんですねぇ」
「あーん、ここにいると外で何が起きているかさっぱりわからないや。困ったなぁ」
「困ったでぅ」
ジュゲの真似をして頭をかかえてみせた。
「バーンはどう?クールズや星の人たちとは連絡とれる」
バーンは返事をするかわりに首をわずかに振ってみせた。
「アダームについて、知っていることを教えて頂けるかしら」
しばしバーンを見つめるジュゲだったが、念話が通じないことを思い出し口に出す。
「げ、この距離で念話通じないんだ。んー・・それがよく知らないんだ。新進気鋭の傭兵団ってことしかわからない。ふって湧いたような傭兵団で、団長がアダームという名前らしいということぐらい。傭兵団のデータベースは閲覧したことあるけど、どうってことのない人物だよ。どこにでもいる。はいて捨てるほどいるような普通の経歴だよ。ごく真っ当な人生を歩んでいたようだけど、ある日突然傭兵に目覚めたのかねぇ。アダームを戦場でみた記憶は一度もない。この一年はバーンと一緒だからってのもあるけど、すくなくとも傭兵登録される前までは一度もあんな奴みたことも聞いたこともないよ」
「どういう顔か念でおくってくれる」
「それが送れないんだ。ここでは」
「見にいいっていいかな」
「ダメ!それだけはダメ!多分、バーンでも無理だよ」
「試しもて、いい?」
「ダメ!やっぱダメ!」
「そう」
いつになく深刻な顔のバーンに彼女は背筋が寒いものを感じていた。
(何がそんなに心配なんだろう)
名を馳せた傭兵であったジュゲは、このような最中であってもそれなりに勝算があったので落ち着いていた。独立宣言の場に居合わせたのはこれが初めてではない。これほどの規模は初めてであったが、どの現場も似たようなものであると考えていた。実際そうであった。少なくともこれまでは。
独立宣言後わずか数日で銀河警察は動き出す。
第一波はほどなくしてやってきた。
それはジュゲの予想通りの展開から始まった。
平和と安住の地と宣言されたアダームの地は1日で戦場となる。
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