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ネット人生まっしぐら、アナログとデジタルの狭間にいきるドーラの雑記帳です。
11 / 28 Thu 17:03 ×
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02 / 20 Sun 13:29 #ドーラ ×
 思い出したのでメモっておきます。
非常に重要なエピソード。
ネタばれてますがw

拍手[0回]

第×話.エルディナの日記



 ×月11日
3時22分、彼女の悲鳴で目を覚ます。
部屋に入ると彼女が顔から血を流しながら暴れていることを確認。
飛び跳ね、
転がり、
全力疾走からの壁への体当たり、
ダンスのように全身をクネらせたかと思うと虚空へ連続蹴りを放つなどの奇行連続。
彼女の背後からタックルし抱きとめ一旦落ち着く。
抱返してきたが、その際に肋骨を折られる。
あの小さな身体からは想像もできない万力のような力で締め上げられ思わず悲鳴が出る。
すると彼女は私を突き飛ばし、化物でもみるかのような目で顔をみつめ、
突然棒のように倒れた。


 ×月12日
病院で、治療のついでに、こうした患者を扱うにはどうしたらいいかアドバイスをこう。
彼らはこうした場合にベッドに縛り付けるようだ。
そうした主旨は、看護側への被害より患者の命の保護が目的と聞く。
理解はするが、私には出来そうにない。
この日から彼女と共に寝ることにする。

 ×月13日
ボディアーマーを来て寝たため十分に眠れなかった。
ただ、私たちニューマンにとって睡眠は3時間で十分であるため特に問題はない。
問題は1日でボディアーマーが割れてしまったことだ。通常のボディアーマーでは無理そうだ。
昨夜の彼女は昨日より凄かった。
今は彼女を抱きとめることでしか彼女の行動を阻止する手段がわからない。

 ×月14日
食事をとってくれない。
ただでさえ痩せているのに危険である。
口へ直接与えても全て吐いてしまうため、やむおえず血液に直接栄養剤を流しこむことに。
不思議と抵抗はしなかった。
彼女が自ら廃物を処理しなくなってから随分たつ。
下の世話も随分なれたものだ。
廃物を処理する費用を払うぐらいならと畑をはじめたがうまくいかないものだ。

 ×月15日
一日中泣いている。
涙が枯れても、
喉が枯れても、
一日中泣いている。
ニューマンが泣くことは皆無に等しいが、彼女は例外なのだろうか?
ジュゲちゃんは第3世代といっていた。
最も不安定な時期のニューマンである。
ニューマンブレイクがいつ起きるか気が気ではない。
始まってしまったらどうすることも出来ない。

 ×月15日
母には感謝している。
母がこれほど有り難いと感じたことはなかった。
母さん、ありがとう。
彼女は不思議と母がいる時は何もしない。
横になったまま、ただ一点を見つめている。
彼女の目には何がうつっているのだろうか。
ギルドセンターに行き手続きを済ませる。
しばしの休業だ。
しばし・・・
いつまでかはわからない。
今は彼女の側にいたい。
彼女をみ守りたい。
母さんには内緒にしたが、ギルドを退職する可能性も考えている。
ニューマンの看護師資格取得を考えている。
何かと今の生活にも活きるだろう。
・・・
能率ばかり考えているようで自分が嫌になる。
ニューマンであることを悔やむ。

 ×月16日
ジオーサがあんなに頼りになると思ったことはなかった。
あいつ、生意気にも「皆は俺が守る」と本気な顔でいいやがった。
正直なところ頼もしいと思った。ヤツにかりができた。
今の私はジュゲちゃんをみるので手一杯だ。
あの一件以来ヤツは急に訓練に身が入るようになった。
夜な夜なドロイド工学の勉強にも精を出しているようだ。
クールズさんの影響だろうか。
あの時クールズさんとどんな会話がなされたか、ジオーサは今も教えてくれない。
「サムライは口がかたいんでね」
とほざきやがったから蹴りを入れてやがった。
いつから父さんの真似してサムライ面しているのか・・・

父さん、
いや、
アイツ。
もう父ではない。
私の中で、

父は死んだ。

アイツがバカだバカだいっても、そこまでバカではないだろうけど、
万が一この敷居をまたいだら・・・
剣を抜かずにはおれないだろう。

そしてアイツは誰であろうと、
ナンであろうと、
自らに牙を向くものには容赦はない。
命を奪うだろう。

恐らく私は死ぬ。

剣をぬけば必ず死ぬ。

母さん、
あなたの愛する人に剣をむけてゴメンね。
何より愚かな娘で本当にゴメンなさい。
ジオーサ、
あんたの尊敬するアイツに剣を向ける私を許して。
理解してくれるよね。
あなたはあの場所にいたのだから。
母さんを宜しくお願い致します。

アイツだけは許せない。

たとえ死んでも一太刀は浴びせたい。
無理だろうけど。
こんな可哀想なことになったジュゲちゃんのために、
クールズさんのために、
愛しい姫様のために、
姫様を大事におもった全ての皆のために。

 ×月17日
私が死んだらジュゲちゃんはどうするんだろう。
彼女も・・・
いや、それは出来ない。
母さんに・・・
いや、そんな無責任なことも出来ない。
ジオーサ、
ジオーサにお願いしよう。
ヤツなら安心だ。

 ×月18日
ふざけやがって。
ジオーサのヤツ、断りやがった。
私が死んだらこれを読むであろうから書いておこう。
ジオーサ、
お前が絶対ジュゲちゃんの面倒をみろ!!
頼むから!!
一生のお願い!!
今日、私が死んだらお前に全額送金されるように設定しておいた。
これで彼女の面倒をみて欲しい。
姉からの最後のお願いだ。
聞かなかったら呪ってやる。
・・・ニューマンに、
私たちにあの世というのはあるのだろうか。
人間つくられた新生物に。
そもそも人間のいう魂などは存在しない。
であれば、呪うことも出来ないか。
それでもいい。
呪ってやる。
だから彼女を面倒みて。
お前が欲しがっていた、100年版ボルゾスの逆襲サイン本はやる。
なにもかも全部お前にやる。
だからお願い。
お前しか頼める人がいない。
愚かな姉です。

 ×月19日
空いた口が塞がらない。
まさかと思ったけど、アイツが明日くるかもしれない。
アイツも所詮はヒューマンがルーツ。
ヒューマンの傲慢さたるや底がないとは事実だったか。
これならニューマン原理主義者達の言い分も否定はできない。

 さようなら母さん。
ジオーサ。
今日、
私は剣を抜くでしょう。

 ×月20日
畑に芽が出ている。
でも、その成長はもう見れそうにない。

日記はここで終わっている。

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