私は原作を当時読んでました。漫画も初版で全部今も手元にあります。アニメも現在拝見させてもらってます。
警告!原作を知らずアニメ版のみ視聴の方へ
実写版はネタバレがあります。現在放映中のアニメで今後の展開において非常に重要な内容が後半描かれており、毎週 +(0゚・∀・) + ワクテカ + しながら拝聴されている方は控えるか映画公開が終わるギリギリラインで観たほうがいいかもしれません。(公開中にアニメが追いつくかも)映画版は超濃密版なのであの前後に描かれているある種の圧倒的絶望感はすっ飛んでしまっております。これは尺の都合で仕方がないと思いますがアニメでは多少なりともソコが描かれると思われますので、先にアレを見てしまうと楽しみが半減してしまうかもしれません。
さて 本日 映画の日 に観いいって参りました。11・29公開で翌々日の映画の日。昼ということもあり平日とはいえ混んでるかな?と少し覚悟しましたが、案ずるより産むが易し。4から5割り程度の埋まり具合でゆったりと観れました。結論から書きますと・・・
漫画原作ものの映画化
この手ので「良かった」と思える映画というのは一度もなく、良くて「まあ、観れるかな」というのがせいぜい。基本は駄作がデフォルトなので期待値はマイナスで始まるのですが、今回は予告も観て少しは期待値もあった上での鑑賞となりました。日本人監督による原作ものの映画化は悲惨の一言に着きますが、これはアリ!!面白い!面白かったです。
原作のファン
私は連載当時読んでいたバリバリの原作派です。ただ、原作原理主義者ではありません。アニメや映画化された時点で別物として考えています。原作に対して監督の解釈というのがある程度入るものと考えているので、それはそれで面白いならアリと思うタイプです。原作の土俵の上にそれらの作品があるわけですから、基本的に原作を越えることはないだろうと思っていますが、それはそれで評価したいです。
寄生獣をよく把握している
この原作はたった10巻とは思えないほど中身が濃く、名場面だらけの漫画ですが、全てを押さえるのではなく、選択した上で取り入れておりた、映画進行の上で必要なものはきっちり。その上で、ストーリーを円滑に運ばせる為にサブキャラをある程度整理しており、そこに関連した登場人物を全て退場。人物が増えるということは自ずと長くなるためですが、その整理が非常に上手。また、その都合で幾つかのシーンを融合させる必要があるのですが、大体はこの整理や融合の段階で駄作決定化されてしまいがちです。ところがこの映画は非常に上手に整理融合させしらけさせることなく映画いのオリジナル要素に結果的に仕上がってます。それはキャラクターの役割の変更です。これは非常に難しくほとんどの場合、この時点で崩壊してしまうのですが、原作のキャラクターの持ち味を崩さず役割を微妙に変えております。原作持ちの映画化としては稀有な成功例かもしれません。これは相当に原作を深く読み込んでいないと到底出来ない芸当で、付け焼き刃で読んだ程度では到底できないでしょう。監督さんや脚本家さんは、「この作品好きだったんじゃないの~?♪」 とすら思ってしまいます。
それでも不満は勿論ある
唯一1シーンだけ残念!!って部分があります。私はあのシーンは非常に重要なシーンだと思っているので、「こうやっちまったか・・・」って感じでショックではありました。ただ、あのシーンを原作のようにやるにはどう考えても尺的に難しいのは明らかです。已む終えない決断だっと思わなくもないのですが、アレは知恵を絞って他の方法で回避すべきシーンだったと思います。ただ、後のシーンをより強調する手段として明確な表示にはなっており、失敗!!軽率!!責任者でてこい!!っと言いたくなるようなシーンにはなっておりません。ソコだけですね。
改変だがいい
実写化にあわせかなりの部分で実写ならではの改変が多数されております。この手の場合、やっぱり失敗することがほとんどですが、この映画では大成功だと思います。むしろ私は実写版の方が理にかなった表現が多く「うまい!!」と関心し非常に丁寧に作っていることが伺えます。
>戦闘シーン
例えば寄生獣の動きに対して原作やアニメは肉体部は動かないのですが、正直かなり違和感に思ってました。どんな強靭なボディバランスがあろうと肉体全体の動き無くしてあれほどの動きは不自然極まり無いのです。ただ漫画はアレでも良かったと思います。漫画はそもそも誇張、デフォルト化されたものですので表現として激しく動く頭部に対して死んだような肉体というのは意図を強調させます。それが動けるアニメでもあれをやっており、さすがに違和感が酷い。
映画では漫画、アニメでデフォルメ化された高速戦闘を、肉眼では把握は出来ないが理にかなった動きで見える程度の速度に調整されており、しかも頭部の攻撃に合わせちゃんと肉体が動いています。その為、非常にダイナミックで肉量のある戦闘シーンに仕上がっており「よくやった!!そう!!これなんだよ!!」と見ながら思いました。
>寄生獣の表現
アニメより実写の方が個人的には好きですね!!アニメはなんか粘土のように見え生物としてのリアリティというか存在感に欠けるものに見えて仕方がありませんでした。原作のようにグロくもなく、アニメのようにCG粘度でもない、肉を見事に表現しながら過剰にグロくならないように描かれており「これはいい!!」と素直に感動しました。グッジョーーーブ!
>ブレードの表現
映画では独自に原作やアニメであった金属に変化する表現を抑えており硬い肉と肉、鈍器と鈍器がぶつかり合うような表現に改変されており「なるほど・・やられた!これはナイスよりナイス!!ヴェリーナーーーイス!!」と関心しました。このお陰で安っぽい戦いになっておらず臨場感のある迫力のあるシーンに仕上がっております。アニメ版なんか特に安っぽく見えて仕方がないんですよね。
>ミギー
私の脳内の声とは違い、漫画やアニメとも異なる存在となりましたが、コレはコレでアリかなと思えるものです。ただ、やや存在感に欠けます。俳優がいい芝居をしているため、純粋にCGでしかないミギーの存在感は完全に負けており、もっと存在感を出すための努力は必要だったかもしれません。(それとも今後の展開次第ではそれも意図だったかもしれませんね)皮膚感がモロCGなんです。表情の乏しいミギーの存在感を高めるには皮膚感が勝負だと思ってましたが、CGそのものなんです。粘土なんです。それと尺の都合でミギーのやりとりがどうしても短くなるため一層その存在が希薄になった気がします。アニメでは印象づけに成功しており、寄生獣の冷徹さというか感情の無さが描かれおります。映画版ではむしろハナッカラ人間っぽく振る舞いがあり、阿部サダヲさん?の人柄が声に出てしまっており完全に人間寄りになっています。やっぱり意図なのかな?
俳優さんがいい
この手のは大体がビジュアルの印象や事務所の力関係で決まってしまうことが多く「フ○ック!!」って叫びたくなるような悲惨なものが多いのですが、相変わらずなオーバーな芝居もないではないですが、全体的に控えており「いい演技してる!!」と思えるものでした。
>島田こえーw
原作、アニメとも異なる島田ですが、この島田が実にいい味を出しておりました。如何にもな芝居とも言えますが、その如何にもな芝居がかえって寄生獣の無感情さに直結しているように感じオーバーな芝居をやらない分、みてて「島田こえーよw」っと感じましたね。握手した際のシーンとかも本当に良かった。
>深津絵里!
以前から日本人にしては芝居が上手だよなーと思ってましたが(エラそうで申し訳ない!)さすがに田宮は合わなさ過ぎるだろうとメインビジュアル公開時に興ざめでした。それが予告をみて、「おや・・・まさかイケル?!」と思い、今回の運びとなったのですが、「深津絵里・・・恐ろしい子!!byガラスの仮面」と改めて実感。
原作やアニメ(アニメの田宮は嫌いだった)とも違う(ちゃんと原作の持ち味は活きている)存在に仕上がっております。深津絵里以外の寄生獣はただ単に 「淡々、冷酷、無表情」という3本柱のみに芝居を展開しているようなある種の単なる表現力の無さを感じましたが(成功はしてる)、深津絵里は単にそれだけではなく内に込めた微細な変化を取り入れており、田宮という「寄生獣と生命の存在について思考する探求者」の深い側面を見事演じているように感じます。深津絵里!!深津絵里!!日本映画も彼女のような存在がいれば希望が持てます。(;´∀`)エリーマイラーブソースイー!
これは同時に寄生獣田宮の表現をVFXで見事に表現している点も大きいと考えます。映画では計り知れない田宮の強さや神秘性(?)がそこここで表現されており、それが彼女の芝居と相まって存在感を高めているように思います。シンイチと水族館で別れる際の表現は実に良い!!
シンイチとムラノがいい!!
私は昔から大袈裟で脂っこい日本人の芝居が本当に苦手で(申し訳ない)日本のドラマとか全くといっていいほど見ないのですが(昨年ヒットしたあれも含め)、本映画では皆さん抑え気味で非常にいい芝居されてました。また、この手のにありがちな全てをぶち壊す役者もおらず、私の中で見た瞬間に興ざめしてしまう「地雷役者」が一人出ていたのですが、雰囲気をぶち壊さず演じており「なんだよ!やれば出来るじゃんか!!」とかなり驚きました。
深津絵里もさることながら、シンイチ役の子が好演しており、原作の改変となった某シーンでも「うんうん!!コレ!!コレが欲しかった!!」と俺得な演技を見せてくれました。このシーンはアニメでは落差を表現しきれておらず未消化感が残ってました。またムラノ役の子が実に良い。この子には大袈裟な点が感じられるセリフ回しもなく、シンイチへの態度等もごく自然に感じられ、シンイチやムラノが本当に日常にいる高校生という実感を創出してくれました。こういったものを拝見しますと日本の映画も希望が持てる!!と感じます。
>シンイチのお母さん
あの前後で全くの別人!!!凄い。あの子煩悩な母親が・・・その衝撃はアニメの比じゃなかった。声の演技でも完全に声優を凌駕している。声ばかりか細かい芝居から体捌きに到るまでまるで別人になえい、「違う!!」ってのが感覚で理解できるレベル。とにかくビックリした!!!
田宮の両親
漫画では出てこなかった田宮の父が出てきます。これを描くことで今後のテーマと田宮の疑問と動機が実に解りやすくなり、同時に父と母のあり方の違いや、母の存在というのを強調することに成功しています。また芝居がいい!!そこで母役のあの方の芝居が実に鬼気に迫っておりアニメ版を越える仕上がりと思ってます。
刑事さん
役者名がいちいち出てきませんが(知らないので)、よくドラマでも出てくるであろうあの刑事さんも実にいい味を出している。あの方はある意味では存在感がありすぎて、声や動きの芝居を入れるといつも誇張気味に感じ、好きなのですが「濃すぎるなー」といつも思ってました。言うなれば濃い味噌ラーメンに味噌と塩胡椒を足すようなもので。それが、この映画ではセリフを少なくすることで濃すぎる感が出ず、動きも最小で充分その存在感を示しております。特に、家を訪れ質問をするシーン。あの空気感だけで「おおおおおお」って感じになり緊張をを見事に演出しております。
シンイチの変化
この流れだとシンイチの変化をどこでどう印象づけるんだろう?と非常に気になったのですが、実に上手くやってくれました。何気ない日常的動作でありながら明らかに違うものをきっちり演出されており、島田の表情の変化とその状況からアリアリと何かが違うことを印象づけております。またこうした読みが出来ない人に向けその後に短くセリフでも伝えてます。こういう場合、これまでのほとんどの日本映画は演出が大袈裟だったりセリフが説明くさかったりと重複行為が過ぎて萎えてしまうのですが上手に消化していると感じました。
もう1回みたい
先述したように、原作が元々濃いのでそれを前後編だけですまそうというのはそもそもが乱暴な話です。ほとんどの映画化作品が、その為にオリジナル改変を試み 「軽率にも程がある、ふざけんな!!!」って自体に発展するわけですが、その点でも骨子そのものを崩壊させるような改変はせず原作を着実に踏襲して映画化した前編は「よく健闘した!!ありがとう!!」と言いたくなる仕上がりです。さりとて、この手のダイジェスト版にありがちなジェットコースタームービーにもなっておらず、濃密なままに物語は進行しております。結果、もう1回観てみたいなーと思わせてくれました。ぶっちゃけ邦画でそう思ったのは初めてに近いです。
えーまー、書き出したらまだまだ書きたいことがあるのですが疲れたのでこの辺でやめておきますw とにかく( ・∀・)イイ!! これはとってもアリです。これだけの完成度で見せてくれるのなら、3部作にして欲しかった!!(><; 2作で終わってしまうなんて勿体無い!! 20世紀少年 や あずみ で日本映画界の漫画原作の実写化がいかにナンセンスなのかをいかんなく発揮してくれ、昨今のルパンなどもある種の金字塔を打ち出してくれたようですが、寄生獣に関して言えば私は大推薦いたします。
映画は最後までみましょう
エンディングが流れ終わり暗転しますと次回予告が自然な流れで放映され +(0゚・∀・) + ワクテカ + せざるを得ない内容を見せてくれますので最後まで立たずにみましょうねぇ。同じスタッフと出演者でもうほとん出来ているんでしょうからこれは期待せずにはおられません。というか、今すぐ観せてくれー!!来年4月まで待つなんて酷だよー 。゚(゚´Д`゚)゚。 と思ってしまったw ま、その間、アニメもやってますしね。いやー面白かった。やっぱりもう一回みたいな。
警告!原作を知らずアニメ版のみ視聴の方へ
実写版はネタバレがあります。現在放映中のアニメで今後の展開において非常に重要な内容が後半描かれており、毎週 +(0゚・∀・) + ワクテカ + しながら拝聴されている方は控えるか映画公開が終わるギリギリラインで観たほうがいいかもしれません。(公開中にアニメが追いつくかも)映画版は超濃密版なのであの前後に描かれているある種の圧倒的絶望感はすっ飛んでしまっております。これは尺の都合で仕方がないと思いますがアニメでは多少なりともソコが描かれると思われますので、先にアレを見てしまうと楽しみが半減してしまうかもしれません。
さて 本日 映画の日 に観いいって参りました。11・29公開で翌々日の映画の日。昼ということもあり平日とはいえ混んでるかな?と少し覚悟しましたが、案ずるより産むが易し。4から5割り程度の埋まり具合でゆったりと観れました。結論から書きますと・・・
( ゚д゚ )アリです!!というか面白い!!
完結編も観に行こうと思います。本映画は二部構成のようで前後編という具合。来年の4/25に後編である完結編が上映予定だそうです。漫画原作ものの映画化
この手ので「良かった」と思える映画というのは一度もなく、良くて「まあ、観れるかな」というのがせいぜい。基本は駄作がデフォルトなので期待値はマイナスで始まるのですが、今回は予告も観て少しは期待値もあった上での鑑賞となりました。日本人監督による原作ものの映画化は悲惨の一言に着きますが、これはアリ!!面白い!面白かったです。
原作のファン
私は連載当時読んでいたバリバリの原作派です。ただ、原作原理主義者ではありません。アニメや映画化された時点で別物として考えています。原作に対して監督の解釈というのがある程度入るものと考えているので、それはそれで面白いならアリと思うタイプです。原作の土俵の上にそれらの作品があるわけですから、基本的に原作を越えることはないだろうと思っていますが、それはそれで評価したいです。
寄生獣をよく把握している
この原作はたった10巻とは思えないほど中身が濃く、名場面だらけの漫画ですが、全てを押さえるのではなく、選択した上で取り入れておりた、映画進行の上で必要なものはきっちり。その上で、ストーリーを円滑に運ばせる為にサブキャラをある程度整理しており、そこに関連した登場人物を全て退場。人物が増えるということは自ずと長くなるためですが、その整理が非常に上手。また、その都合で幾つかのシーンを融合させる必要があるのですが、大体はこの整理や融合の段階で駄作決定化されてしまいがちです。ところがこの映画は非常に上手に整理融合させしらけさせることなく映画いのオリジナル要素に結果的に仕上がってます。それはキャラクターの役割の変更です。これは非常に難しくほとんどの場合、この時点で崩壊してしまうのですが、原作のキャラクターの持ち味を崩さず役割を微妙に変えております。原作持ちの映画化としては稀有な成功例かもしれません。これは相当に原作を深く読み込んでいないと到底出来ない芸当で、付け焼き刃で読んだ程度では到底できないでしょう。監督さんや脚本家さんは、「この作品好きだったんじゃないの~?♪」 とすら思ってしまいます。
それでも不満は勿論ある
唯一1シーンだけ残念!!って部分があります。私はあのシーンは非常に重要なシーンだと思っているので、「こうやっちまったか・・・」って感じでショックではありました。ただ、あのシーンを原作のようにやるにはどう考えても尺的に難しいのは明らかです。已む終えない決断だっと思わなくもないのですが、アレは知恵を絞って他の方法で回避すべきシーンだったと思います。ただ、後のシーンをより強調する手段として明確な表示にはなっており、失敗!!軽率!!責任者でてこい!!っと言いたくなるようなシーンにはなっておりません。ソコだけですね。
改変だがいい
実写化にあわせかなりの部分で実写ならではの改変が多数されております。この手の場合、やっぱり失敗することがほとんどですが、この映画では大成功だと思います。むしろ私は実写版の方が理にかなった表現が多く「うまい!!」と関心し非常に丁寧に作っていることが伺えます。
>戦闘シーン
例えば寄生獣の動きに対して原作やアニメは肉体部は動かないのですが、正直かなり違和感に思ってました。どんな強靭なボディバランスがあろうと肉体全体の動き無くしてあれほどの動きは不自然極まり無いのです。ただ漫画はアレでも良かったと思います。漫画はそもそも誇張、デフォルト化されたものですので表現として激しく動く頭部に対して死んだような肉体というのは意図を強調させます。それが動けるアニメでもあれをやっており、さすがに違和感が酷い。
映画では漫画、アニメでデフォルメ化された高速戦闘を、肉眼では把握は出来ないが理にかなった動きで見える程度の速度に調整されており、しかも頭部の攻撃に合わせちゃんと肉体が動いています。その為、非常にダイナミックで肉量のある戦闘シーンに仕上がっており「よくやった!!そう!!これなんだよ!!」と見ながら思いました。
>寄生獣の表現
アニメより実写の方が個人的には好きですね!!アニメはなんか粘土のように見え生物としてのリアリティというか存在感に欠けるものに見えて仕方がありませんでした。原作のようにグロくもなく、アニメのようにCG粘度でもない、肉を見事に表現しながら過剰にグロくならないように描かれており「これはいい!!」と素直に感動しました。グッジョーーーブ!
>ブレードの表現
映画では独自に原作やアニメであった金属に変化する表現を抑えており硬い肉と肉、鈍器と鈍器がぶつかり合うような表現に改変されており「なるほど・・やられた!これはナイスよりナイス!!ヴェリーナーーーイス!!」と関心しました。このお陰で安っぽい戦いになっておらず臨場感のある迫力のあるシーンに仕上がっております。アニメ版なんか特に安っぽく見えて仕方がないんですよね。
>ミギー
私の脳内の声とは違い、漫画やアニメとも異なる存在となりましたが、コレはコレでアリかなと思えるものです。ただ、やや存在感に欠けます。俳優がいい芝居をしているため、純粋にCGでしかないミギーの存在感は完全に負けており、もっと存在感を出すための努力は必要だったかもしれません。(それとも今後の展開次第ではそれも意図だったかもしれませんね)皮膚感がモロCGなんです。表情の乏しいミギーの存在感を高めるには皮膚感が勝負だと思ってましたが、CGそのものなんです。粘土なんです。それと尺の都合でミギーのやりとりがどうしても短くなるため一層その存在が希薄になった気がします。アニメでは印象づけに成功しており、寄生獣の冷徹さというか感情の無さが描かれおります。映画版ではむしろハナッカラ人間っぽく振る舞いがあり、阿部サダヲさん?の人柄が声に出てしまっており完全に人間寄りになっています。やっぱり意図なのかな?
俳優さんがいい
この手のは大体がビジュアルの印象や事務所の力関係で決まってしまうことが多く「フ○ック!!」って叫びたくなるような悲惨なものが多いのですが、相変わらずなオーバーな芝居もないではないですが、全体的に控えており「いい演技してる!!」と思えるものでした。
>島田こえーw
原作、アニメとも異なる島田ですが、この島田が実にいい味を出しておりました。如何にもな芝居とも言えますが、その如何にもな芝居がかえって寄生獣の無感情さに直結しているように感じオーバーな芝居をやらない分、みてて「島田こえーよw」っと感じましたね。握手した際のシーンとかも本当に良かった。
>深津絵里!
以前から日本人にしては芝居が上手だよなーと思ってましたが(エラそうで申し訳ない!)さすがに田宮は合わなさ過ぎるだろうとメインビジュアル公開時に興ざめでした。それが予告をみて、「おや・・・まさかイケル?!」と思い、今回の運びとなったのですが、「深津絵里・・・恐ろしい子!!byガラスの仮面」と改めて実感。
原作やアニメ(アニメの田宮は嫌いだった)とも違う(ちゃんと原作の持ち味は活きている)存在に仕上がっております。深津絵里以外の寄生獣はただ単に 「淡々、冷酷、無表情」という3本柱のみに芝居を展開しているようなある種の単なる表現力の無さを感じましたが(成功はしてる)、深津絵里は単にそれだけではなく内に込めた微細な変化を取り入れており、田宮という「寄生獣と生命の存在について思考する探求者」の深い側面を見事演じているように感じます。深津絵里!!深津絵里!!日本映画も彼女のような存在がいれば希望が持てます。(;´∀`)エリーマイラーブソースイー!
これは同時に寄生獣田宮の表現をVFXで見事に表現している点も大きいと考えます。映画では計り知れない田宮の強さや神秘性(?)がそこここで表現されており、それが彼女の芝居と相まって存在感を高めているように思います。シンイチと水族館で別れる際の表現は実に良い!!
シンイチとムラノがいい!!
私は昔から大袈裟で脂っこい日本人の芝居が本当に苦手で(申し訳ない)日本のドラマとか全くといっていいほど見ないのですが(昨年ヒットしたあれも含め)、本映画では皆さん抑え気味で非常にいい芝居されてました。また、この手のにありがちな全てをぶち壊す役者もおらず、私の中で見た瞬間に興ざめしてしまう「地雷役者」が一人出ていたのですが、雰囲気をぶち壊さず演じており「なんだよ!やれば出来るじゃんか!!」とかなり驚きました。
深津絵里もさることながら、シンイチ役の子が好演しており、原作の改変となった某シーンでも「うんうん!!コレ!!コレが欲しかった!!」と俺得な演技を見せてくれました。このシーンはアニメでは落差を表現しきれておらず未消化感が残ってました。またムラノ役の子が実に良い。この子には大袈裟な点が感じられるセリフ回しもなく、シンイチへの態度等もごく自然に感じられ、シンイチやムラノが本当に日常にいる高校生という実感を創出してくれました。こういったものを拝見しますと日本の映画も希望が持てる!!と感じます。
>シンイチのお母さん
あの前後で全くの別人!!!凄い。あの子煩悩な母親が・・・その衝撃はアニメの比じゃなかった。声の演技でも完全に声優を凌駕している。声ばかりか細かい芝居から体捌きに到るまでまるで別人になえい、「違う!!」ってのが感覚で理解できるレベル。とにかくビックリした!!!
田宮の両親
漫画では出てこなかった田宮の父が出てきます。これを描くことで今後のテーマと田宮の疑問と動機が実に解りやすくなり、同時に父と母のあり方の違いや、母の存在というのを強調することに成功しています。また芝居がいい!!そこで母役のあの方の芝居が実に鬼気に迫っておりアニメ版を越える仕上がりと思ってます。
刑事さん
役者名がいちいち出てきませんが(知らないので)、よくドラマでも出てくるであろうあの刑事さんも実にいい味を出している。あの方はある意味では存在感がありすぎて、声や動きの芝居を入れるといつも誇張気味に感じ、好きなのですが「濃すぎるなー」といつも思ってました。言うなれば濃い味噌ラーメンに味噌と塩胡椒を足すようなもので。それが、この映画ではセリフを少なくすることで濃すぎる感が出ず、動きも最小で充分その存在感を示しております。特に、家を訪れ質問をするシーン。あの空気感だけで「おおおおおお」って感じになり緊張をを見事に演出しております。
シンイチの変化
この流れだとシンイチの変化をどこでどう印象づけるんだろう?と非常に気になったのですが、実に上手くやってくれました。何気ない日常的動作でありながら明らかに違うものをきっちり演出されており、島田の表情の変化とその状況からアリアリと何かが違うことを印象づけております。またこうした読みが出来ない人に向けその後に短くセリフでも伝えてます。こういう場合、これまでのほとんどの日本映画は演出が大袈裟だったりセリフが説明くさかったりと重複行為が過ぎて萎えてしまうのですが上手に消化していると感じました。
もう1回みたい
先述したように、原作が元々濃いのでそれを前後編だけですまそうというのはそもそもが乱暴な話です。ほとんどの映画化作品が、その為にオリジナル改変を試み 「軽率にも程がある、ふざけんな!!!」って自体に発展するわけですが、その点でも骨子そのものを崩壊させるような改変はせず原作を着実に踏襲して映画化した前編は「よく健闘した!!ありがとう!!」と言いたくなる仕上がりです。さりとて、この手のダイジェスト版にありがちなジェットコースタームービーにもなっておらず、濃密なままに物語は進行しております。結果、もう1回観てみたいなーと思わせてくれました。ぶっちゃけ邦画でそう思ったのは初めてに近いです。
えーまー、書き出したらまだまだ書きたいことがあるのですが疲れたのでこの辺でやめておきますw とにかく( ・∀・)イイ!! これはとってもアリです。これだけの完成度で見せてくれるのなら、3部作にして欲しかった!!(><; 2作で終わってしまうなんて勿体無い!! 20世紀少年 や あずみ で日本映画界の漫画原作の実写化がいかにナンセンスなのかをいかんなく発揮してくれ、昨今のルパンなどもある種の金字塔を打ち出してくれたようですが、寄生獣に関して言えば私は大推薦いたします。
映画は最後までみましょう
エンディングが流れ終わり暗転しますと次回予告が自然な流れで放映され +(0゚・∀・) + ワクテカ + せざるを得ない内容を見せてくれますので最後まで立たずにみましょうねぇ。同じスタッフと出演者でもうほとん出来ているんでしょうからこれは期待せずにはおられません。というか、今すぐ観せてくれー!!来年4月まで待つなんて酷だよー 。゚(゚´Д`゚)゚。 と思ってしまったw ま、その間、アニメもやってますしね。いやー面白かった。やっぱりもう一回みたいな。
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